コラム

 公開日: 2017-11-13 

トップが不祥事を起こしたときの対応

 中小企業でも個人事業でも、何かの拍子に犯罪行為や社会的な非難を浴びる行為をしてしまうことがあります。もちろん、故意にそのような行為をすることもあり得ます。
 そして、そのような行為が報道された場合、対応を誤ると、行為をした本人にも所属する会社等にも傷が大きくなります。


 タクシー内で酒に酔って暴れた弁護士の件です。
 今の時点では、まだ実名報道はされていないようです。
 ただ、既に週刊新潮のネット記事ですと、道内の経済界の方などであれば十分に特定できる内容で報道されています。


 もともとツイッターなどで、その弁護士がタクシー内で暴れた者であるという情報が流れていました。
 その情報をかえって裏付けたのが、その弁護士の事務所のホームページが閲覧できなくなり、事務所のFacebookページとその弁護士の個人のアカウントが消失していたという事実です。
 この対応は、かなりまずかったように思えます。
 このように逃げたと取られかねない対応は、火に油を注ぐことになって、不利な情報の拡散を招きます。


 そして、週明けの今日にも、その法律事務所からはとくにコメントは出ていないようです。
 このニュースについては、全国ネットのワイドショーでも取り上げられており、いずれ実名報道がされる可能性がある問題です。しかも、加害者とされる弁護士は、複数の企業の代表取締役や取締役に就いているようですから社会的な影響から、報道は必至です。
 これは、実名報道の是非とは別問題として、実際問題として実名報道されるという前提で対処しなければならない状況です。
 そうであれば、現時点で、被害者には謝罪と示談を申し入れていることや警察に出頭して事情聴取を受けるなど捜査に応じていること、依頼者や関係先への謝罪や今後の対応についての説明、一般に対するお詫びなどがシンプルでもアナウンスされても良かったのではないかと思います。
 法的な責任として、刑事責任をどの程度問われるのか、賠償責任としていくらの責任を取るのかはともかく、社会的地位に応じた対応が必要であったのではないかと思います。
 そうしないと、余計に情報拡散や非難の報道が大きくなると考えられます。

 分かっている範囲、言える範囲でも、説明する姿勢が無いと社会一般の信用も個別の取引先・関係先の信用も得られません。


 その弁護士が代表取締役を務めている企業のホームページは閉鎖こそされていませんが、何のアナウンスもしていません。
 社内は大混乱なのかもしれませんが、利用者・取引先の信頼をつなぎ止めるタイミングを失したように思います。


 さらに、信じられないニュースではありますが、被害者側のタクシー会社に、女性弁護士から匿名で謝罪や弁償をしたい人がいるという申出があったということです。
 名前を明かさないのが、女性弁護士の方というより、加害者の方の名前を明かさないという意味に取るのが自然かと思います。加害者を匿名したままで謝罪したいなどと言っても被害者の感情を悪化させるだけです。

 さらに問題なのが、タクシー会社の取引先から示談の確認というカタチで、示談に応じるよう圧力とも取れる出来事があったということです。もし、そういった圧力があったというのであれば、このご時世でおよそまともな企業や弁護士の行う対応ではないでしょう。
 反社会的な振る舞いです。

 加害者とされる弁護士や示談を申し入れた女性弁護士(その事務所の勤務弁護士の可能性があります。)がその”圧力”に関与していたのであれば、その関与の方が酒に酔った上での乱行よりも弁護士としての非難が強い行為であると思います。
 もし関与があったのであれば、弁護士会は除名や退会命令といった重い処分を関与した弁護士や弁護士法人に課すべきです。弁護士として本当に許せません。

 この圧力に関与した企業についても、企業名の報道がなされる可能性があります。そうなるとその企業の社会的な信用は相当傷つくのではないかと思います。当該弁護士とともにその企業も非難され、その情報はネット上に長期間残ることになるでしょう。

 そんな圧力を本当に掛けたというのであれば、危機への対応としては最悪手だったと思います。



 人間や組織の能力や性質は、問題を起こしたことに現れるというより、その後の対処の仕方に如実に表れます。
 もし自分がそんな状況に置かれた場合は、自分の書いたことを思い出して、歯を食いしばって対応したいと思います。



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