コラム

 公開日: 2018-01-12 

飲食店のノーショー(無断キャンセル)やドタキャン

 飲食店で、予約した人(ニュースになるのは大抵は大人数)が来なかったり、予約時間の直前でキャンセルになることがあります。

 弁護士の場合も、法律相談の予約をして来ない人やドタキャンする人はいます。
 来なければ、別の仕事をしていれば済むので、大きな迷惑は被りません。

 ただ、飲食店は、その予約のために食材を仕入れて仕込みをして、他の客を断って予約に備えているわけですから、
無断キャンセルやドタキャンによる実害は大きくなります。
 経済的な損害の他に、裏切られた精神的ショックも大きいでしょう。
 連絡があるだけ、ドタキャンの方が無断キャンセルよりまだマシです。

 そのような損害をできるだけ避けたり、損害を与えた予約者に対して賠償請求を実効的にできないのか、
飲食店側の悩みがあります。

予約を受けない

 初めから予約を受けなければ、予約客のトラブルは生じません。
 けっこうな繁盛店だと、予約を受けないところがあります。

 お店の業態などで、予約客を断れないということはあるかもしれません。
 しかし、予約客での問題を抱えているお店は、
「予約を受けないでお店を回す」
にはどうすれば良いかを考えてみてはどうかと思います。

ナンバーディスプレイ

 予約を受けたお店で予約した者の連絡先が分からない、ということがあります。
 少なくともナンバーディスプレイで、予約してきた電話番号が表示されるようにしておくべきでしょう。
 電話番号非通知からの予約は受けないようにすればいいです。

前金・半金

 大人数で、料金も大きくなるような場合は、前金を取れないか、そのシステムを用意できないか検討すべきでしょう。
 全額は難しくても、料金の半分など一部の支払をしてもらって被害が生じるリスクを少なくしておきます。

犯罪ではないのか

 そのお店の業務を妨害するつもりで、実際には来店する意思もなく、予約を入れたということであれば、
偽計業務妨害罪が成立しうるでしょう。
 しかし、予定の変更で、予約したお店を利用しなかっただけならば、
予約行為について偽計業務妨害罪は成立しないでしょう。

 ただ、予約したお店に行かない(行けない)ことが分かった段階で、
予約した者が予約をキャンセルする旨を連絡すべきなのに
連絡をしなかったということについては、
不作為(すべきことをしないこと)による偽計業務妨害罪と構成できる場合があるのではないかと思います。


 ドタキャンや無断キャンセルについて犯罪が成立しうるとしても、
警察が犯罪と認識して捜査するかどうか、受理するやる気があるかどうかとは別問題です。
 

損害賠償請求できないか

 予定された代金相当額については、ドタキャン・無断キャンセルにより生じた損害となる場合が少なくないでしょう。
 予約のあった時間に他の客を入れたのであれば、その分の売上を控除したものとなります。

 予約した者が分かったとして、その者に請求書を送ることに飲食店としてはためらうようです。
 どうしても悪評が付くことを恐れるようです。

 しかし、ドタキャンはそれぞれ事情があるかもしれませんが、
無断キャンセルような場合は特に、そのような予約を入れた者は、もはや「お客様」と呼べるような者ではありません。
 その者の周りでのお店の評判が下がったとしても、筋の悪い「客」が来なくなるだけでしょう。
 ネット等で悪評をばらまかれるようなことは、別の不法行為の問題となります。

 飲食店が大事にすべきなのは、予約の準備をしたスタッフであり、他のまともな客の方です。


訴訟までするのか

 損害賠償(代金)の請求書を送付しても支払わない者に対して、訴訟や支払督促を起こすかどうかというのも飲食店には悩ましいでしょう。
 自分で訴訟の準備をするのはできないので、弁護士に依頼するとすれば、
その費用がかかるだけでより赤字が増えるということになりかねないとの心配があります。
 
 たぶん、無断キャンセルの場合を単発で弁護士に依頼をするとすれば、費用倒れの可能性が少なからずあるでしょう。

 弁護士費用の負担の問題まで考慮するとすれば、
無断キャンセルのような場合の対応まで含めた顧問契約を締結しておくとか、
弁護士費用の保険に加入しておく(飲食事業のことまで対応する保険の内容になっているかどうかは確認が必要です。)
という事前の方策が考えられます。
 1社での顧問契約が難しければ、組合で契約してもらうとかグループを組んで契約するとかの方法もあるでしょう。





 美味しくて良心的なサービスのお店には、
一人の外食好きとしても
無断キャンセルやドタキャンで疲弊してもらいたくありません。


〒060−0003
 札幌市中央区北3西7 1−1 SAKURA-N3
北海道コンテンツ法律事務所
電話070−5530−0884
弁護士 林 朋寛(札幌弁護士会所属)
http://www.sapporobengoshi.com
審査請求・行政訴訟 https://shinsaseikyuu.jimdo.com/

この記事を書いたプロ

北海道コンテンツ法律事務所 [ホームページ]

弁護士 林朋寛

北海道札幌市中央区北3条西7丁目1-1 SAKURA-N3 [地図]
TEL:011-600-2701

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
行政問題 他

 税金や行政指導や行政処分で、国(税務署や各省庁)や北海道(その他の都府県)、市町村の対応に不満や疑問がある場合のご相談を重点的にお受けしています。 ...

中小企業の法務サービス

◎債権回収等に関する費用 通知書作成・送付  通常3万円  民事訴訟については、サービス・料金をご参照ください。  仮差押(保全)  相...

 
このプロの紹介記事
林朋寛 はやしともひろ

中小企業が抱える問題を法律的な側面から丁寧にサポート(1/3)

北海道大学植物園のすぐ近く、JR札幌駅や市営地下鉄さっぽろ駅・大通駅から歩いて約10分とアクセスの良い場所にある「北海道コンテンツ法律事務所」。弁護士の林朋寛さんは、中小企業をとりまくさまざまな問題に対応すべく2016年3月に同事務所を設立...

林朋寛プロに相談してみよう!

北海道テレビ放送 マイベストプロ

柔軟性とスピード感で中小企業の法的問題解決支援に強み

会社名 : 北海道コンテンツ法律事務所
住所 : 北海道札幌市中央区北3条西7丁目1-1 SAKURA-N3 [地図]
TEL : 011-600-2701

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

011-600-2701

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

林朋寛(はやしともひろ)

北海道コンテンツ法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
顧問弁護士の3つの価値

 「顧問弁護士」という言葉は、ドラマや小説などでも出てくるので、一般に知られている言葉だと思います。 ...

[ 中小企業 ]

甘い解説という批判には甘んじて受けます(「そだねー」の商標登録出願)

 コメントした記事が公開されました。ご覧いただければ幸いです。六花亭や北見工大生協が出願した「そだねー」...

[ 知的財産 ]

犯則調査

 国税局に脱税を疑われた場合は、犯則調査の対象になりえます。 犯則調査の対象になる、つまり犯則嫌疑者とな...

[ 税務 ]

フリーランスの移籍制限

 コメントした記事が公開されました。【芸能人等の移籍制限や芸名の使用禁止は「優越的地位の濫用」で法律違...

[ 中小企業 ]

ジジコのコラム一覧

 林のコメントした情報サイトのジジコの記事(平成26年4月〜)を、分野別に整理しました。 【著作権】 ...

[ 法律問題一般 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ