コラム

 公開日: 2014-10-23 

『言葉』を捉える

今日は、霜降。
「霜降(そうこう)」とは、
秋が一段と深まり、朝霜が見られる頃をいう。
本当に、朝晩の寒さが増している今日この頃。

季節を感じることができる日本、札幌で暮らしていることは、恵まれているのだと思う。
正直当たり前すぎて、ゆっくりと確かめることをしたことはなかったけれど、「すごい!」ことなのだ。

昨日は暗い色の雲に一日空が覆われていた。
思わずコートの襟を立てたくなる、そんな寒い日だった。
今日は高く澄む青空がまぶしい。
キーンとした寒さが背筋を伸ばしてくれるようだ。

そして、季節を言葉に容易に変換できることが楽しい。

9月末から昨日まで、夜間の8日間、
北海道障害者職業能力開発校の主催の能力開発セミナーを担当していた。
聴覚障害の方が対象の「ビジネスマナー講座」だ。

『この方たちにマナーの中の何が必要で、何が不要か。』
『障害のある方と一般の方との違いは何か。』

主催側の担当者が、とても気配りのある方で、責任感からの心配性の部分もあり、細かすぎる要求があり、内心かなり面倒な仕事を引き受けてしまったと、後悔もあった。

そして、担当者を無視したようで申し訳ないが、
いろいろ考えて、私は『いつもと同じ』にすることにした。

勿論、参加者の不安や疑問は解決するが、不要な前提は持たない。
参加者の視線は手話通訳者の方を見るので、相手からのアイコンタクトは微妙。
でも、私はアイコンタクトを普通にとる。
少しゆっくり話すが、気が付くとめいっぱい声を張り上げて話している私がいる。
ちょっと笑った。

社内の人間関係、挨拶のルール、報連相、好感を与える話し方・聞き方、敬語、ビジネスメール、来客応対のマナー。
全部普通に終了。

受講者は表情たっぷりに受け止め、そして、好感度の高い礼儀とあいさつをする。
全く、いつもどおりだった。

そして、回を重ねるごと、私が「すごい!」と思った“疑問点”

『この方たちは、どの様にしてコトバを覚えたのだろう?』

通訳者によると、どうしても端的な言葉になるらしい。
ニュアンスという部分が、難しいらしい。
○×がはっきりしていて、なんとなく○っぽい、というような良くも悪くも微妙な伝え方が難しいというか無いのだそうだ。

心理では、声がニュアンスを伝える。
声には感情が表れる。
語尾を上げ下げするだけで、ある時は命令になり、ある時は質問になるのだ。

セミナー期間中、その“音”は無いが、“言葉”で通じないものはなかったのだ。

この方たちは、どの様にして言葉を覚えたのだろう、苦労があったのではないか、と思った。

「たくさん、本当にたくさんの本を読みました」と、私の疑問に明るい顔で回答してくれた。

そして、「心理を勉強してみたい!」と言ってくれた。
すごい!!この皆さんの意欲には頭が下がる。

私は『マナーは心である』と伝えている。
今回の講座の中でも、それは参加者の日常の不安や疑問から出てきたことだったが、人の心をどう受け止めるかというところがかなり出てきた。

実は、ここがすごい!

五感が普通に使える人は、マナーをまるでルールのように捉え、マニュアルは暗記するが、応用が利かない事が多い。
応用が利かないということは、相手の気持ち・心を受け止め考えることをしていない、ということなのだ。

講師として、「もっと、相手のこと考えよう!自称、相手の立場にたてる人でしょ、あなたたちは!!」と強い口調になってしまうことが良くあるのだ。

今回は先手を取られてしまった感がある。

今回、ご縁を頂いた方たちは、言葉の意図に対し敏感だった。
人に言われる言葉で傷つくことも少なくないのだそうだ。
自分勝手な意味づけもしてしまっているように思え、「もっとフラットに考えてもいいよ」と伝えることも少なくなかった。

それだけ言葉を大事に丁寧に扱っているのだろう。
擬音語や玉虫色の言葉は通じにくいかもしれない。
だからこそ、一語一語に込められてるであろう意味や意図を受け止めようと真剣なのだと感じた。


さてさて、
言葉を簡単に用いて会話を出来る私は、どうだろう?
「言わなくてもわかってくれているだろう」という自分勝手な前提ばかりをぶら下げていた。

「ありがとう」も「ごめんなさい」も、
相手が気付いてくれるものと期待していて、言葉にするのをためらうことが多い。
「こんこともできないの?!」と
相手に憤慨しても、それをきちんと説明して教えることをやめていた。

NLPでは、物事を伝える表現法をして“五感で表す”ことをスキルの一つとしている。
そう小説の冒頭のように。
そして、削除・歪曲にならないように、5W2Hで情報を過不足なく伝えることもする。
だから、私も表現にはこだわり、伝える努力をしている。

今回、ハッとさせられたのは、その表現以前の基本の部分だ。
言葉自信がもつ、意味や意図。
音(声)を使える私は、言葉に付帯するニュアンスから意味や意図をつかむ事をしてきたが、言葉そのものに焦点を当てることをしていなかったかも…。

今日は二十四節気の霜降。
冷え込んだ朝の、朝霜のおりた落ち葉に美しさと、冬の訪れを感じる。

五感で季節の移り変わりを堪能するとともに、
朝霜・落ち葉・寒さの一つ一つの言い分にも、耳を傾け感じてみようと思う。
2014.10.23

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