コラム

 公開日: 2016-07-11 

ワーク・ライフバランスを理解しよう

一億総活躍時代とワーク・ライフバランス

人口オーナス期の今とこれからに向かい、
安倍内閣が「一億総活躍社会」と提唱している。
新3本の矢という、「GDP600兆円」「出生率1.8」「介護離職ゼロ」。これを実現することで、50年後も人口1億人を維持しようというのが政権の考えだ。
そんな中のキーワードの一つが「ワーク・ライフバランス」だと思う。

ワーク・ライフバランスは女性優遇ではない

女性管理者を対象とする、もしくは女性管理者を目指していこうという研修は、札幌商工会議所や中小企業大学校で10年も前から講師をする機会があった。
なかなか名ばかりの女性管理者が多く、生命保険会社で女性が中心となって仕事をしていた私にしてみれば、歯がゆい所も否定できなかった。

そして昨年あたりから、空気が変わってきた。

「女性管理者」という肩書があり、且つ意識の高い女性が、セミナーに集まってくるようになった。

昨年末から北海道が主催した「女性塾」の講師もさせて頂き、
能力のある、自分の生き方や意見をしっかりもつ女性が多いことを嬉しく感じた。

但し、ワーク・ライフバランスは決して女性のためだけにあるものではない。

避けられない人生のある時間帯

子育ても時間と労力が必要で避けて通れない重要な人生のひと時だ。
そして親の介護も子育て以上に時間が必要で咲けては通れない、しかも出口の見えない、熟年期にやってくる人生のひと時だ。

高齢化社会、少子化。
この両方の現実は、働き盛りで責任も重くなっている私たちに、重くのしかかってくる現実が既に始まっている。

家族も家庭も、そして仕事も辞めるわけにはいかない。
何かを捨ててしまえば、それ以上の弊害が襲ってくるのが、目に見えている。

だから私たちは、20代の人も、30代、40代の人も、50代のリーダーたちも、
ワークとライフを、両方とも調和を取りながら続けたいと思っているし、続けなければならない現実も十分感じている。


ワーク・ライフバランスは人の数だけある

ワーク・ライフバランスは、「仕事と生活・家族関係の調和」というのが分かりやすいだろう。
そこには「一人間としてどう生きて行きたいか」が重要なポイントとなる。
だから、「さあ皆さん、一斉にこうしましょう、ああしましょう!!」という事が言えない。
100人人間が居れば、100通りの生き方、ワーク・ライフバランスの捉え方がある。

その個人のワーク・ライフバランスを、自分の仕事や会社とどう調整・調和を図るか、を真剣に考えなければならない時代に突入しているのだ。


現実・・・

札幌市も「ワーク・ライフバランス宣言」を企業に求めている。
6月末で既に650社以上の会社が名乗りを上げている。
内容は・・・見せ方なのだろうが、なんとなく「女性活躍推進、女性の働きやすい環境を作った」的なのが気になるが…。

介護は男性にも、女性にも、同じように降りかかってくる。

会社でやり手、働き手の40代の中堅の男性社員が、親の介護をしなくてはならなくて、悩んでいる。
妻は第2子を出産後、2年、今「あなたの給料だけじゃ・・・。それに私も外に出たいの」と言ってパートにでた。
水を得た魚の様にいきいきし始めた。
一方で、父親の自分は、たまに子供の保育所のお迎えを頼まれたりするようになった。
そうこうしていると、妻の母親が若年性の認知症にかかった。
今は地方で夫婦二人で暮らしている義理の両親だが、父親では食事の支度もおぼつかない。
自分達の家に呼んで、同居を考え始めている。
でも、そうなると、自分の仕事は…。
会社内でも、中堅となり、リーダー的な仕事を任されるようになった。
これからは本格的に全国の支店に異動をしていきながら、昇給や昇格を余儀なくされる時期を目の前にしている。
でも、妻の仕事、子供の教育、そして親の介護を考え始めると、転勤なんてできる状態ではない。
転勤を拒否するという選択肢はあるが、それをしてしまえば、自分のこの会社における将来は…、夢も希望もダウンしてしまう。

これが現実。

だからワーク・ライフバランスを、今!考えなければならないのです。
個人も、そして企業も。

そんななか、北海道の主催のセミナーを拝聴する機会があった。

「それぞれのワーク・ライフバランス」というテーマで大谷大学の平岡教授の講演だった。

人を取りまく環境が変わっている。
個の時代だけど、ネットワークが欲しい。
生きがいを求めるのは難しいが生き方は重要だ。
そんな講話だった。

あくまでも私人としての見解だと思って聞いて欲しい、とおっしゃっていたが、それが『生き方』を強制させないための前提だったように思う。
さすがだ。

企業の戦略としてのワーク・ライフバランス

そして、企業もワーク・ライフバランスに取り組まなければならない。
かつてのよき時代のように、労働力があふれ、安い賃金で人を雇用できる『人口ボーナス期』と言われる日本を急成長させた時代はもう二度と来ない。
これからは少ない若者があふれかえる老人を支えなければならないのだ。
企業にたくさんの人材が、より取り見取りで入ってくるなんてことはない。

そして、愛社精神ではないが、身も心も会社のために、などというサービス残業が大手を振るようなこともあり得ない。

つまり、企業は業務の効率化を図り、仕事の評価を時間コストで捉え、短時間労働でも業務が円滑に回るように考えることが、大きな課題だ。
そんあ環境がある会社組織をつくらなければならない。
企業の生き残り戦略がワーク・ライフバランスなのだ。

実は私は、昨夜も遅くまで、ワーク・ライフバランスのコンサルタント試験に向け、提出課題に取り組んでいた。

会社にも、個人にも、直視しなければならない課題が山積みだということを再認識した。

この間までは、見て見ぬふりをしても、なんとかごまかしがきいたが、もう、ごまかせないところに来ている。

各市町村も、北海道も日本も、実は大声で「ワーク・ライフバランス!」と叫んでいる。
素晴らしいセミナーや支援も増えて来ている。
是非関心を持って、気にして欲しい。

企業も、そこで仕事をする我々も、真摯に「生き方」を考えて行きたい。

株式会社ブロッサムも、ワーク・ライフバランスコンサルタント業務をサポートしています。

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■株式会社BLOSSOM
■■人材育成コンサルタント 井島 恵子
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