コラム

 公開日: 2013-08-08  最終更新日: 2016-03-25

うまい話には裏がある~投資詐欺に遭ってしまったらどうするか?

長年自分が貯めたお金を増やそうと考え、投資詐欺に遭ってしまうケースは決して少なくありません。

例えば平成20年1月に投資会社「ワールドオーシャンファーム」の投資詐欺事件。

事件の概要は、フィリピンで行っているエビ養殖事業への投資名目で多額の資金を集めたということなのですが、実際に養殖を行っていた形跡もなく、はじめから金をだまし取る目的だったということで逮捕したものです。全国約4万人から総額約650億円を集めたということですから、被害者は平均で160万円余の投資をしたことになります。

投資詐欺 被害は回復できるのか

このような被害に遭う方はそれなりの蓄えはあるものの、その有効な利用先もなく、将来に対する不安もあるので「少しでも増やせる方法はないか」と思っているところに『うまい話』を聞かされて、お金をつぎ込むというパターンがほとんどです。

この種の投資詐欺の場合、高率の配当の約束をして、最初の1・2回は約束通り支払いをするものの、その後「支払いが途絶えて最後は全然支払えなくなる」というパターンが一般的ですが、冷静に考えてみると、事業者が説明する事業計画がいかにおかしなものかということは簡単に見抜けるはずです。

いったん契約してしまってもそこで諦めてはいけません。

これらの行為は詐欺行為ですから、取り消しを主張して速やかに資金の回収を図れば、被害の大半を回復できる場合があります。
これまで私が相談を受けた案件でも、比較的早い時期に相談を受けたので、速やかに弁護士名で契約の解除と支払った資金の返還を求めて、実際に回収できたこともあります。

個々の被害回復と社会正義の実現

ここで弁護士として少し悩むことがあります。
これらの業務を行っている事業者は、組織的な詐欺集団ですから、放置しておいては社会の害悪になります。したがって、告発して事業をできなくさせるのが社会正義に適うところなのですが、目の前の依頼者の被害を回復するためには、大ごとにすることはマイナスになります。

その事業者が「もう資金を集められない」と思ったら、集めた資金を隠して逃げてしまうことも十分に考えられます。
したがって、その事業者が「まだ資金集めができる」と思っていて、弁護士が介入して裁判でも起こされたら「社会問題化してその後の業務の妨げになる」と考えているうちに、被害金額を回収するということを考える必要があるからです。

そのため、お金を返してもらう際には、返金を受けたことを他言しないというような和解をすることもありますが、社会正義の実現を担う立場の弁護士としてはこれで良いのかと思うところでもあります。

しかし、個々の事件の解決を通して社会正義の実現に寄与するというのが、弁護士業務の本分であると思うので、この点は割り切らざるを得ないのでしょう。

やられた!と思ったら速やかに専門家に相談しましょう

見ず知らずの人が、うまい儲け話を持ってくることは通常あり得ないことです。本当にうまい儲け話であれば、自分が資金を出すでしょうし、事業計画が確実なものであれば、金融機関からの融資も受けられるので、全く知らない人に多額の配当を支払ってまで金集めをする必要は全く無いはずです。

被害にあったかもしれないと思っても、自分がそんな被害にあったことを知られると恥をかくことにもなるので、なかなか周りの人には相談できないでしょう。
そんな時にこそ、法律上厳格な守秘義務を負っている弁護士に相談すべきです。

うまい話には裏があります。
でも、これは詐欺だ!と気付いた後の対応が早ければ早いほど、被害を少なくできます。
「やられた!」
と思った時にはすぐに専門家に相談しましょう。

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