コラム

2013-09-17

ねずみ講は絶対破綻するのにどうして騙されるのか

「年金たまご」と称して会員から多額の金を集めネズミ講を営んだとして健康食品販売会社「ライフ・アップ」の元社長が無限連鎖講防止法違反の疑いで逮捕されたという事件がありました。

・無限連鎖講(いわゆる「ねずみ講」)とは
自分の下の出資者を勧誘すればするほど、その出資の一部が自分に対する配当となる仕組みです。
先に参加すればそれだけもらえる配当は多くなりますが、参加者をネズミ算的に増やしていかなければいつかは破たんします(そのうち必要な会員数が地球の人口を上回ります)から、まともな経済行為と言えないことは明らかです。

ねずみ講は、もともとの形は商品を伴わず、単に「子会員、孫会員を増やして出資を集める」だけのものでしたが、それが無限連鎖講防止法に違反するということで、隠れ蓑として今回の健康食品販売のような形式をとることが多くなっています。

ねずみ講とマルチ商法の違い

ねずみ講といわゆるマルチ商法は似ているので勘違いされやすいのですが、マルチ商法(マルチレベルマーケティング)という営業手法は、欧米では優れた販売方法という評価もあって、わが国でも『違法ではない』という裁判例もあります。

両者は、仮に「子会員、孫会員が増え続けなくてもビジネスとして成り立つかどうか」という違いがあり、事業者が適正な利潤を得たうえで、顧客にとって価値のある商品が適正な価格で提供されているかどうかということが『指標』になります。

今回取り上げた事件のように、健康食品などを商材として扱う方法は、「マルチまがい商法」と言われ、ねずみ講の隠れ蓑として使われる脱法行為なので、ねずみ講を取り締まる無限連鎖講防止法違反とされたわけです。

欲に目が眩むと孤独な人生を歩むことに…

今回被害にあった方たちが、そのような仕組みと分かって出資したのかどうかは分かりません。

おそらく、仕組みは分からずに、「高配当が得られるという甘い言葉に乗っただけ」の人がほとんどだと思います。我が国の景気は先の見えない状況にあり、高齢者が資産を運用しようとしても運用利益は微々たるもので、将来に対する不安から資金を投入した被害者も少なくないと思います。

しかし、この不況の時代に、そんなうまい話がある訳がないのです。

勧誘する人たちは、自分の下に子会員、孫会員が増えるたびに配当が増えますから、知人を誘って被害者を増やします。誘った時は、自分の利益だけでなく、「誘った相手にも利益を得てもらいたい」という気持ちから声をかけていることも多いと思いますが、このように実態が明るみに出れば、それまでの友人関係、親せき関係は崩壊して『孤独な人生』が待っています。

ねずみ講の被害は歴史的に何度も繰り返されているので、周囲に「その危険性を知っている人が全くいない」ということはないと思うのですが、『欲に目がくらむ』ということは恐ろしいことです。

なお、ねずみ講の主催者でなくても、ごく初期に参加した人たちは、出資額をはるかに上回る利益を得ている可能性があります。

もちろんその利益は、「後から参加した会員の被害」によってもたらされているのですから、刑事責任は免れたとしても、「民事上の損害賠償責任を負わされる」可能性があるということも知っておいた方が良いでしょう。

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