コラム

 公開日: 2013-12-24  最終更新日: 2014-09-19

渋沢栄一「論語と算盤」のこころ

平成25年最後のコラムは、以前マスダアカデミーでも取り上げた、渋沢栄一著「論語と算盤」をご紹介いたします。

日本資本主義の父、渋沢栄一

日本資本主義の父とも言われる渋沢は、天保11年(1840年)に現在の埼玉県深谷市の豪農に生まれました。

その後、幕府の役人の横暴に憤慨して討幕を志したこともあったものの、ひょんなことから、後に15代将軍となる一橋慶喜に仕え、明治政府が樹立されると大蔵省に招聘され新政府の国づくりに携わっていたものの、明治6年(1873年)に官を辞して、その後は民間にあって、企業の創設・育成に努めたという人物です。

亡くなったのは昭和6年(1931年)ですから享年91ということで、当時の男性としては破格の長寿であったことも分かります。

渋沢が設立に関わった主な企業を挙げると、
第一国立銀行(第一銀行、第一勧業銀行を経て、現みずほ銀行)
東京ガス
東京海上火災保険
王子製紙(現王子製紙・日本製紙)
秩父セメント(現太平洋セメント)
帝国ホテル
秩父鉄道
京阪電気鉄道
東京証券取引所
キリンビール
サッポロビール
東洋紡績(現東洋紡)
など、著名企業がずらりと並んでいます。

渋沢栄一と孔子、そしてビジネス

「論語と算盤」は、昭和2年、渋沢が87歳の時に初版本が出版されたものですが、長い民間時代に各方面で述べた訓話や寄稿がまとめられたものであり、その述べられた時代は明治後期から大正のころです。

読んでみて思うのは、時代背景もあるので現代にそのままあてはまる訳ではありませんが、現代の実業人に対する教訓としても十分に生きるような考え方が述べられているということです。

CSR(企業の社会的責任)は、欧米から入ってきた概念ですが、社会から利益を得ている商工業者に対して「富貴の度を増せば増すほど、社会の助力を受けている訳だから、この恩恵に酬ゆるに、救済事業をもってするがごときは、むしろ当然の義務」と渋沢が述べているのは、まさに企業の何たるかを深く理解していたことの現れです。

明治初期のころは、江戸時代からの儒学の影響もあって、「金儲けをすることは卑しいこと」という風潮もありましたが、渋沢は孔子の教えを「正しい道理を踏んで得たる富貴ならば、あえて差し支えない」と解説して、各々が正しい富を積むことが国を富ませることになると述べています。

ビジネスの世界に道徳を~今だからこそ見直すべき渋沢の精神

翻って、現代の状況を見ると、自ら社会に価値を提供することなく、金融工学を駆使してマネーゲームで大金を得ている人たちが、世界の経済危機の元凶とも言われています。

渋沢であれば、そのような手段で得た富は決して評価することはないでしょう。

また、渋沢は、正しい方法によって得た富貴でなければ長続きはしないとも述べています。社会から後ろ指を指されるようであれば、結局ビジネスは成功しないのです。

ビジネスの根底に「信」がなければ、企業の永続的発展は望めません。先に挙げた多くの著名企業がいまも我が国の経済を牽引していることは、渋沢の教えが正しかったことを示しているのでしょう。

ビジネスの世界に道徳を唱えた渋沢の精神を見直すべきときなのだと思います。

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