コラム

2014-01-28

賃貸居室内の自殺によって発生する家主の損害(2)

前回のコラムでは、賃貸物件の持ち主である大家さんが実際どのくらい収益があるのか解説しました。
今回は、所有している賃貸物件で自殺者が出た場合、どのようなことが起こるのかについてお話いたします。

所有する賃貸物件内で自殺者が出るとどんな損失があるのか

これが、物件内で自殺者が出るとどうなるかというと、一般の方はご存じないと思いますが、すぐに発見されない場合には、室内に異臭が蔓延して、その臭いは清掃しただけでは取れないほど強いので、クロスや下地の石膏ボードの張替をしないと再利用できないということもよくあることです。

加えて、自殺者が出た部屋ですから、次の入居者がすぐに決まることはまずありません。賃貸するときには、自殺の事実を明らかにしないと重要事項説明違反として入居者から損害賠償を請求されかねませんので、このような事実を明かしたうえで入居してもらうためには、相当な賃料の減額が必要になります。

同じ棟内の入居者に対しては、家主が何らかの賠償をする法的な義務はないものの、その入居者が退去した後に次の入居者を募集する際に、自殺者が出た賃貸建物という事情はかなり不利な条件になりますので、ここでも賃料の減額を余儀なくされる可能性は十分にあります。

このように、ひとたび自殺者が出てしまうと、家主の側の経済的な損失は非常に多きなものがあり、前述のように、そもそも余裕をもって賃貸経営をしている訳でもないので、これが原因で銀行ローンが払えなくなって、家主の側が経済的に破たんしてしまうということも十分にあり得るということは知っておいていただく必要があります。

大家さんも辛い-自殺者を出さないためにできることは

自殺をする方は、精神的にも極限の状況で死を選択するのですから、このような周囲に対する配慮をしなさいということ自体無理な話ではありますが、近年の自殺者の増加には、小さなころから失敗体験を積ませていなかったことの負の影響が少なからずあるような気がしています。

私は一時期心理学に興味を持ったことがあって、心理的負荷がかかった状態に耐える力(=フラストレーション・トレランス)を身に付けるには、ある程度幼い時期からフラストレーションの状況を経験させるという教育が必要だと思っているのですが、最近の親は子供を大事にするということの意味をはき違えているのか、子供にストレスを与えるのは可哀想といって、過保護に育てることがあります。

しかし、社会に出ると、自らの力でいろいろな困難を乗り越えなければならない場面が必ず訪れます。また、人間である以上多かれ少なかれ失敗することもあります。
そんなときに、現実を直視し前を向いて進めるようにするためには、幼いころから困難を乗り越える体験をつみ、親がカバーしてあげられるような失敗であれば積極的に失敗体験を積ませることも必要ではないかと思っています。

自殺によって家主が被る損害を考えてみると、このような問題をなくするためには、自殺者を出さないための周囲の取り組みという根本的なところを改善しなければ問題は解決しないということに思い至ります。


皆さんはどう思いますか?

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