コラム

 公開日: 2014-02-18  最終更新日: 2014-09-19

「秘密」の管理はきちんと行われていますか?

2013年の臨時国会で特定秘密保護法が成立しましたが、国家において秘密にすべき情報があるのと同じように企業においても外部に漏らすことのできない業務上の秘密は存在します。

「営業秘密を知る取引先の社員を自社が引き抜くことが問題だ。」ということを社内のコンプライアンスを管理する部署に通報したことの報復として配置転換されたことの違法性が争われた事件がありました。平成19年6月に起こった、オリンパスの内部通報者に対する報復人事を行ったとする事件です。

内部通報者の保護に関しては、『公益通報者保護法』という法律によって、法令上罰則規定が設けられている法令に違反する行為については
「要件に合致する通報をした従業員に不利益処分を科してはいけない」
と規定されていますが、この判決は、この公益通報者保護法に基づく判断というよりも、
「内部告発した労働者への不利益扱いを禁じた社内の規定に反する」
という理由から、労働者側の請求を認めたものでした。

事案の詳細まではわかりませんが、一審の地裁では「配転による不利益はわずかなもので、報復目的とはいえない」という判断がされたのですが、高裁では、上記のように報復としての不利益処分は認めないという判断が示されたのです。




営業秘密を知る取引先の社員の「自社への引き抜き」~何が問題なのか

それでは、「営業秘密を知る取引先の社員を自社が引き抜くこと」のどこが問題なのでしょうか。
従業員の引き抜きについては、
「一斉かつ大量に従業員を引き抜いたり、営業秘密を保有する従業員を引き抜いて秘密を漏えいさせたりすることによって、競業行為を行おうとするような場合」には、
その競業行為は“自由競争として許される範囲を逸脱するもの”として
『違法(不正競争防止法違反)』と評価されることがあります。

実は、私のところにも従業員の引き抜きを巡るトラブルの相談は結構あります。

引き抜かれる側にも、それまで従業員に満足な待遇を与えていなかったなどの問題がある場合もあって、単なる引き抜き行為だけで違法というのは難しいことが多いのですが、従業員の引き抜きを通じて相手企業の「営業秘密」を奪おうとするような場合には違法とされる可能性は少なくないので注意が必要です。

従業員の引き抜きによって社内の秘密情報を奪われるリスクを軽減するには、従業員に適正な待遇を与えることも必要ですが、守るべき情報をきちんと「秘密」として管理しておく必要があります。

社内において誰でもアクセスできるような情報を持ち出されても「秘密」の漏えいにはなりません。
今からでも遅くないので、本当に守るべき「秘密情報」をきちんと分類して、管理方法を見直すことをお勧めいたします。


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