コラム

2013-05-20

弁護士費用のお話し(1)~弁護士に事件を依頼したらどのくらい費用がかかるのか

皆さんは、弁護士に事件を依頼するといくら支払わなければならないか、おそらく感覚的に理解することは難しいと思います。

外国で弁護士費用が話題になった事件としては、OJシンプソンが殺人の容疑で裁かれた事件があります。アメリカの著名弁護士を10人ほど雇って(当時、この弁護団をドリームチームと呼んだマスコミもありました。)、刑事では無罪を勝ち取ったものの、民事では殺人による損害賠償を認定されてしまいました。そして、この事件のためにシンプソンが支払った弁護士費用は約5億円と言われています。
また、離婚事件などでも外国のセレブの離婚事件だと慰謝料額も莫大な金額になりますが、それに応じて弁護士費用も億を超える金額は珍しくありません。

こんな話を聞いていると、弁護士に仕事を頼んだらいったいいくら取られるのだろうと不安に思うのは無理もないところですが、ご安心ください。日本の庶民でこんな金額の事件に縁のある人はいませんので、そういう人たちの依頼を受ける私たち一般の弁護士にとっても別世界の話です。

では日本の弁護士費用の決め方はどんな方法があるのか

日本の弁護士費用の決め方について、一般的に行われているのは、着手金と報酬金の2本立てで費用を支払ってもらうというやり方です。

・着手金・・・事件を着手してもらうための費用なので、結果の如何にかかわらず戻らない前提のお金です。
※事件途中で弁護士が代理人を辞めてしまった場合に、それまでの仕事の程度に応じて清算することはあります。
・報酬金・・・事件の結果によって得られた依頼者の利益を元に算定されるお金ということになります。

例えていうなら、
 着手金→『車に入れるガソリンのようなもの』で、それがなければ走りません。
 報酬金→『馬の前にぶら下げるニンジンのようなもの』で、良い結果が報酬に結び付くので弁護士の尻を叩く効果があるということかもしれません。

なぜ、このような報酬の決め方になったのか~マスダの推測

どうしてこのような報酬の決め方になったのかというと、それはどちらかというと弁護士側の事情によるのではないかと思いますが、真相は分かりません。

というのも、私が弁護士になった20年以上前には、日弁連が報酬規定を定めており、弁護士はその報酬基準の範囲内で業務を行わなければならないと決められていて、その報酬基準の考えが上記のようなものだったからです。
※この報酬規定は独禁法の関係で撤廃され、現在は各弁護士が自由に報酬を決められるということになっていますが、そこに問題も生じています。その辺りは、後の回でご説明します。

このように決めた事情を推測すると、『事件を受任してもいつ終結するか分からないのに、報酬金以外に弁護士費用を受け取れないのでは事務所を維持できない』と考えたと思われるので、そのために着手金という名の「車のガソリン」のようなお金を入れてもらい、「結果はどうあれ終点まで連れて行ってください」という依頼者のニーズに応えることにしたのではないかという気がします。

報酬金は、結果によって発生するお金ですから、例えば事件が完全敗訴で終わった場合には支払ってもらえないものです。弁護士は、その場合には着手金だけをもらって後は断念するということになります。

このほかに、出張が必要になるような事件では出張の旅費のほかに日当を支払ってもらうことがありますが、それは半日出張で2~3万円、1日出張で5~10万円というのが相場の金額になります。

このように説明しても分かりにくいと思い、今でも多くの弁護士が報酬基準を考える元になっている日弁連の「旧報酬規程」をお示ししたいと考えましたが、とても長くなってしまうのでここでは割愛します。

ネットで検索すると、「弁護士NOBIのぶろぐ」というサイトで旧規定を説明していましたので、そちらをご参照ください。

次回の弁護士費用のお話し~弁護士事務所経営にかかる費用は?

お金の支払を求める事件であれば、係争の利益(依頼者の利益)は分かりやすいかもしれませんが、不動産の明け渡しや離婚事件の場合の利益はいくらなのかということになると途端に分からなくなってしまいます。

「旧報酬規定」では、そのような典型的な事件の報酬の基準も決められていましたが、それがどのような根拠で決められたのか、私たち後の世代の者は実は分かりませんが、もしかすると報酬規定を決めた当時の弁護士の平均的な報酬額を調査して出したのではないかと推測はできます。
では、旧報酬規程ができるまでの弁護士の報酬はどうやって決めていたのでしょうか。これはおそらく、これは弁護士の側で「必要とするお金」から逆算して決められたのではないかという気もします。

「必要とするお金」ということだと、一般的な弁護士の懐具合をご説明しなければなりません。「弁護士の懐具合」については、次回のコラム:弁護士費用のお話し(2)をご覧ください。

************************************
弁護士舛田雅彦に相談してみたい!と思った方は
ご連絡の際「マイベストプロ北海道のサイトを見た」と「マスダ」をご指名ください。
*連絡先はこちら 札幌総合法律事務所011-281-8448

この記事を書いたプロ

札幌総合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 舛田雅彦

北海道札幌市中央区北5条西11丁目17-2 [地図]
TEL:011-281-8448

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム
最近投稿されたコラムを読む
コンサル弁護士マスダ
イメージ

舛田雅彦(マスダマサヒコ)は弁護士と中小企業診断士の資格を取得している、北海道で最初の弁護士です。弁護士としての法律に関する知識と、中小企業診断士としての...

事務所紹介
イメージ

マスダが所属する札幌総合法律事務所についてご紹介いたします。2001(平成13)年10月に設立した、札幌総合法律事務所はチームワークとフットワークをテーマに、皆様...

 
このプロの紹介記事
札幌総合法律事務所 舛田雅彦

中小企業診断士の資格を持つ“コンサル弁護士”が経営者の孤独に向き合います(1/3)

 弁護士は、トラブルが起きた時に頼るべき専門家、つまり平穏な日常からは遠い存在だと感じていませんか?札幌総合法律事務所のパートナー弁護士、舛田雅彦さんは自身でも「弁護士の世話にならないほうが幸せ」と口にしていた時期があったと言います。しかし...

舛田雅彦プロに相談してみよう!

北海道テレビ放送 マイベストプロ

北海道で最初の「中小企業診断士資格を持つ弁護士」です

会社名 : 札幌総合法律事務所
住所 : 北海道札幌市中央区北5条西11丁目17-2 [地図]
TEL : 011-281-8448

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

011-281-8448

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

舛田雅彦(ますだまさひこ)

札幌総合法律事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
相続人複数の場合に一部の相続人が同意しないと被相続人の預金は引き出せないの?

遺産分割のトラブルで良くあるパターンは、多くの良識的な相続人は別に特別な分け方を希望していないのに、一人だ...

[ マスダの解説~実際の事件から ]

あなたの契約書の「契約解除条項」は大丈夫ですか?(1)

仕事柄、顧問先等から契約書の内容のチェックを求められることが少なくありません。今回のコラムでは「契約書」...

[ ビジネス・経営 ]

賃貸居室内の自殺によって発生する家主の損害(1)

テレビのニュースを見ていたら、自分が保証人になっていた家族が賃貸住宅で自殺した直後に家主から多額の損害賠償...

[ マスダの解説~実際の事件から ]

倒産会社代表者の想い~万策尽きる前に対応を
イメージ

自分が経営していた会社が倒産することは、自分の収入の道を断たれることはもちろんですが、従業員を路頭に迷わせ...

[ ビジネス・経営 ]

親が再婚したときの養子縁組の有無が「相続結果を大きく分けることになる」というお話

北海道は、全国平均と比較すると離婚件数が多い土地柄といわれていますが、離婚が多ければ再婚も多いということで...

[ 弁護士業界勝手に解説 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ