コラム

 公開日: 2016-09-07 

適正な経費の割合って、どれくらい?

起業をしたり、フリーランスで仕事を始めたりする時に、まず考えることといえば、やはり「売上」でしょう。
「売上さえ立てば、あとは安心」。そう考えて最初の1、2年は経費を多く使ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

あるいは、本来かけるべき人件費や広告費などを極力削って、ミニマムの経費で始めたり、経費を「何に」「どれくらい」使えば適正なのかがわからない、という方もいらっしゃるかもしれません。

経費をどう見るか、収益構造をどう組み立てるかは、経営の根幹部分です。
今回は、「適正な経費の割合はどれくらいか」について税務の観点から見てみましょう。

<業種別に見る経費率>
事業内容や業種によって、どんなものが経費になるか、どれくらい経費として認められるかは違いが出るものです。

特に税務上の経費率の概念があるわけではありません。
税務署では、経済活動においてかかる経費率を把握しており、税務調査を実施する上で、経費率が一定の判断基準とされています。
長年蓄積されたデータから、適正と思われる経費の割合を判断し、税金逃れをしていないかどうかをチェックしているのです。

一般的には以下が、主な事業における経費率(収入に占める経費の割合)の目安といわれているものです。このレベルの数字であれば問題ないとされています。

・卸売業…約90%
・小売業…約80%
・製造業…約70%
・飲食業、サービス業…約50~55%
・その他の事業、専門技術系等…約60%

<経費項目の割合は問題になる?>
恐らく、皆さんが気にされるのは、その経費項目のウエートについてでしょうか。
何に経費をかけるかは、事業者によってそれぞれ異なります。突出した経費がなければ、特に指摘を受けるようなことはありません。

例えば、飲食店の経営者ならば、内装を変えることでお客様が来る(売上が上がる)と考える人もいれば、内装にお金をかけるよりも人件費にお金をかけることで売上につながると考える人もいらっしゃいます。

その際に「この突出した費用はどういうことですか?」と税務署から聞かれても、例えば「事業戦略として、おもてなしの精神で質の高いサービスを実践するため、人件費をかけています」と言えれば、それで済むことなのです。

<適正に計上し、裏付け資料があれば経費として認められる>
それよりも税務署がチェックしているのは、「経費が適正に計上されているかどうか」「しっかり帳簿付けをしているか」「領収書やレシートをきちんと保管しているか」という点です。
あくまで「事業を運営するために必要な支出」を経費にしており、その根拠となる支出の証拠(領収書等)を残しておくということが大事だと考えましょう。

売上が伸びれば、それに応じて経費もかさみます。
時には、売上の伸び率以上に経費がかかってしまっている場合に出くわすこともあるでしょう。

ある飲食店の例を挙げると、オーナーがシェフに仕入れを任せていたところ、シェフが高級食材を次々と仕入れ、オーナーが想定していた通りの利益が上がらず、店が繁盛して売上が伸びているのに、サービスを提供すればするほど、赤字になってしまったという話がありました。

このような時は「なぜこんなに経費が膨らんでいるのか?」を考え、経費を見直してみましょう。
「この経費は適正ですか?」と専門家に相談することをお勧めします。

事務所の関与先で、ワインバーを経営するオーナーシェフがいました。オーナー自らが卸市場などに行って食材を仕入れていたのですが、いつもお客さんに美味しい旬なもの食べていただき喜んでいただこうと、採算を無視しての仕入れが目につきました。いろいろとアドバイスをしたのですが、結局、客数も売上も伸びていたのですが、赤字が続き、お店をたたんでしまいました。

オーナーシェフは、シェフですが、同時にオーナーであり、経営者です。やはり「経営」という視点でお店の運営管理をするべきだったのです。
数値は、実態を反映します。ビジネスへの想いと経営指標の数値を突き合せながら、日々取り組んでいくことが大事なのです。

この記事を書いたプロ

岡﨑正毅税理士事務所 岡﨑麻美社会保険労務士事務所 [ホームページ]

税理士 岡﨑正毅

北海道札幌市中央区大通西10丁目4 NYビル2F [地図]
TEL:011-215-1681

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
相続でお困りの方へ

◆初回のご相談は無料です。お気軽にお問い合わせ下さい。◆相続税の申告・納付は、相続開始から10ヶ月以内です。 ◆「相続税試算」「生前対策」「相続税申告」はお任せ...

会計・税務・労務

◆貴方の「夢」を実現するために、会計・税務・労務等の専門家として常にサポート。◆「立ち上げ支援」から「経理指導」や「労務手続き」そして「決算・申告」まで。 ◆...

 
このプロの紹介記事
岡﨑正毅 おかざきまさき

経営業績や資産状況を「見える化」して分かりやすくサポート(1/3)

 岡﨑正毅税理士事務所は、税務相談や経営相談、財務会計、節税、相続対策など法人、個人に関わらず総合的に対応しています。中でも、企業の税務会計業務では経営状況を数値化し、強み、弱みを客観的なデータに基づいて分析。「ただし数字ありきではなく、企...

岡﨑正毅プロに相談してみよう!

北海道テレビ放送 マイベストプロ

会社設立から相続まで「税の町医者」として分かりやすく対応

事務所名 : 岡﨑正毅税理士事務所 岡﨑麻美社会保険労務士事務所
住所 : 北海道札幌市中央区大通西10丁目4 NYビル2F [地図]
TEL : 011-215-1681

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

011-215-1681

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

岡﨑正毅(おかざきまさき)

岡﨑正毅税理士事務所 岡﨑麻美社会保険労務士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
今、改めて決めておこう!「経費に対するブレない考え方」

最近では、スマホで領収書を撮影してアップロードすれば経費データに登録されるといった便利なサービスもあります...

[ ビジネス ]

まずはこれだけ押さえておこう! 税務調査への対応ポイント

毎年、訪れる税務申告に加えて「税務調査」は、経営者の皆さんにとってプレッシャーに感じることでしょう。そん...

[ 税金 ]

平成25年度税制改正で相続税の基礎控除額が引き下げ

3月の年度末ギリギリに平成25年度税制改正が国会で成立しました。今回の税制改正のトピックの1つが、相続税の実質...

[ 税金 ]

子どもや孫への教育資金1500万円は非課税

平成25年度税制改正のトピックの1つとして注目されているのが、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税規定の...

[ 税金 ]

平成25年度新入社員はルンバ(ロボット掃除機型)。能力を発揮させる環境整備が必要

財団法人社会経済生産性本部の「職業のあり方研究会」は、ちょっと前に、今年度・平成25年度の新入社員の特徴を発...

[ ビジネス ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ