コラム

 公開日: 2017-02-15 

「コピペ就業規則」は労務トラブルの元凶!

従業員が10人以上になると、就業規則の作成が義務付けられます。

「就業規則なんて、どこの会社でも変わらない」と高をくくり、
「他社の就業規則をほぼそのまま使う」「インターネットにアップされていた就業規則テンプレートをそのまま使う」というように、
「コピペ(コピー&ペースト)」で就業規則をつくり上げてしまう中小企業は少なくありません。

しかし、こうした「コピペ就業規則」こそが、労務トラブルの元凶です。
まさに会社側から「トラブルを起こしてください」と、地雷をまくのと同然と言ってもいいでしょう。


■中小企業が大企業の就業規則をコピペすると、経営に影を落としかねない

なぜ、「コピペ就業規則」が労務トラブルを引き起こすのでしょう。
その理由は至極簡単。会社の実情とマッチしないからです。

例えば、社員10人程度の中小企業が、大企業の就業規則をコピペしたら、どうなってしまうでしょう。
・賞与の支給をしっかり規定している(夏冬各〇ヵ月分以上と具体的に)
・年次有給休暇規定が法定以上の日数を定められている
・休職規定が長期かつ有給となっている

中小企業が、上記のように待遇が手厚い大企業の就業規則を適用したら、実情に合わないのは明らかです。給与・賞与の金銭的負担だけでも相当大きくなり、企業経営に影を落としかねません。

■就業規則の適用範囲を明確にしないとトラブルが起きる

就業規則は、適用範囲を明確にする必要があります。
一般的には、正社員とパートタイマーやアルバイトは賃金や休暇等の労働条件が異なることから、就業規則も「パートタイマー就業規則」を別途作成しているケースが多いです。

一方、「コピペ就業規則」を作成する経営者の場合、「とりあえず就業規則をつくればいい」という頭が先に働き、パートタイマー就業規則まで考えず、就業規則の適用範囲を不明瞭にしてしまうケースが少なくありません。
これでは、正社員とパートタイマー・アルバイトの労働条件を同じにしなければいけなくなります。

実際、パートタイマー就業規則がなかったために、正社員への賞与支給時に「私たちにも賞与を払ってください」とパートタイマーから賞与を請求され、支給せざるを得なくなったケースもあります。

■労働者に不利益な内容に就業規則を変更する際は、労働者の合意が必要

「会社の実情に合わない就業規則ならば、変更すればいい」――
こんな風に考える社長さんもいらっしゃることでしょう。
確かに間違いではありませんが、就業規則の変更は簡単ではないのです。

「年次有給休暇の規定が短くなる」「賞与の支払条件が悪くなる」など、労働者にとって不利益な内容に、就業規則を変更する場合は、労働契約法第9条に基づき、原則として労働者の合意が必要となります。
つまり、労働者一人ひとりの同意が求められるのです。それゆえ、他社の就業規則を安易にそのままコピペできないのです。

労務トラブルが起きるかどうかの分かれ道は、就業規則にかかっているといっても過言ではありません。
いい加減に作成した「コピペ就業規則」は、労務トラブルの地雷なのです。

就業規則は、基本的に会社の実情に合わせた「オーダーメイド」です。
「お下がり」や「既製品」ではいけません。一旦、就業規則の案を出したら、一つひとつ読み合わせをして、会社の実情に合っているか、トラブルが起きないようチェックする必要があるでしょう。

これから就業規則を整備しようと考えている社長さんは、専門家に相談して、従業員が生き生きと働けるための就業規則を作成しましょう。
それが、結局のところ、最も妥当性が高く、経済的にも合理的なものになります。

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