コラム

 公開日: 2016-05-15 

Mounting, Humping, Com'on Baby!! (上)〜腰を振る理由

”どうして犬って腰を振るの?” ”やめさせなきゃいけない行動?” などなど、私自身、飼い主さんからよく聞かれる質問の一つだ。
腰ふりとはいわゆる「マウンティング行為」のこと。周りでよく知られている理由は、「性の欲求からくるもの」「支配欲を示そうとしているもの」だろうか。
その質問に簡単にお答えするとこうだ。「腰振る理由はいろいろあるんです。止めなくていい腰ふりもあります」。

学校の行き来で電車に乗っている時間など、トレーニング知識を軽くアップデートするために愛読しているサイトがある。今や全世界に有名なドッグトレーナー、ヴィクトリア スティルウェルさんのサイトだ。そこでいい記事を見つけた。
きっといまだにほとんどの飼い主さんが勘違いしている「腰ふり」についての記事があったので、それを要約しながらではあるがご紹介させていただきたいと思う。省略もしながら本文の長さ調整をさせていただくことをご了承ください。

この記事は少し内容が掘り下げられていて長文となっているため、今回の(上)では前半内容、腰を振る理由について述べ、そして次回の(下)で、ではどうするか、といった対応がかかれている後半を述べたいと思う。

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昔、ベイリーというサービスドッグ(盲導犬・聴導犬など)は訓練所で、床に座っている人、枕、犬用ベッド、大きなぬいぐるみ、などなどあらゆるものに対してマインティングをしていた。そして訓練士はそれに対して「ハンプフリー(腰ふり時間終了!)」とのコマンドを出し、リードやショックカラーでことごとく止めていったという。その行動はゆっくりながらに消滅していき、ベイリーは方をおとしながら、全てのものを避けるようになった。その訓練所では、ベイリーのその行動を「支配欲によるもの」と考えあるべきものではないとしたのだった。1990年代のことだ。

今、2015年には、マウンティング行為についてもっと詳しく研究がなされている。そしてその腰ふり行為にはちゃんと「理由」が伴っていることがわかってきている。そしてその理由はほんとうに様々だ。

「性的なマウンティング行為ばかりじゃない!」
どんなに犬をわかっている飼い主でも犬がなにかにマウンティングしているのを見ると、怒り狂いながら怒鳴りつけ、体をつかみ、その場から離れさせようとすることがある。
・犬同士の遊びの中では、マウンティングは至って正常で自然なこういである。性的な意味合いはここでは全くなく、もちろん「同性愛」といったものでもない。
・じゃあどういったときに止めるべきか?それは、ある犬がある特定の子に対してばかりマウンティングをし、周りが見えなくなっている時、マウンティングされている子が嫌だという意思表示をしている時、または、マウンティングしている際にあまりにも
強い力で相手を抱え込んでいる時・・。そういったときには人間が介入し、止めなくてはいけない場面となる。
・まずはマウンティグ行為がなされている理由を必ず考えることが大切だが、過剰な腰ふり行為が見受けられたら「要注意」である。たいていの犬は、腰ふりよりも、走ったりじゃれ合ったりするものなのだ。

上記のような「対犬」だけではなく、犬用ベッドや人やぬいぐるみなどあらゆるものに腰を振るというマウンティング行為もあるが、そのような行為も、今やほとんどが「興奮を表す行動」だとわかってきている。その中でも、「ストレスからくる心の高まり」によるものが高い割合を占める。例えば、今まで人を噛むということを知らなく、大嫌いな爪切りをされるときに、かすかな抵抗として体の下に手を隠すようなそんな子に多く見られるという。そのストレスのはけ口が腰ふりになり、つまりストレスの副産物が腰ふり行為というわけだ。

「腰ふりは単にストレスのはけ口」

あるジャックラッセルのこと。脅迫概念にとりつかれたかのように執拗な行動が出ている子だった。飼い主が心配したのは、その子が窓のサッシのアルミを、一日中舐め続けるのだという。そしてそれを飼い主が止めると、今度はその子のベッドを持ち出して疲れ切るまで腰を振り続けるのだという。このケースでは、飼い主は心配はしているものの、うまく付き合っていけばいい行動だと理解をし、ストレスのはけ口を作るという意味で、コマンドを出し、他の部屋でやってもらうというOCD(脅迫性障害)の解決策へと持って行ったという。

他の例として、トレーニングしたあるビーグルの話が出ている。
多頭飼いしているご家庭において同居犬たちとうまくやっていくことができない子で、マズル(口輪)をつけ、反射条件付けによるトレーニングをしているときのこと。まずはマズルを装着し慣れていってもらうためのトレーニングをし、良い反応によりきゅうけいをした。そのときにヴィクトリアさんの足を抱きかかえ腰を振り始めたという。止めることなくそのままやりたいようにさせていると、ある程度すると疲れたのか腰ふりをやめ、つぎのトレーニングに臨む姿勢を自分でから見せてきた。再び他のトレーニングを開始したが今度はもっと長い時間行いより集中が必要なものとなったためか、そのあとの休憩にはいった瞬間は、とてもストレスを強く感じていたのだろう、また腰ふりが開始された、とのことだった。このケースにおいては、ここまでこの犬にストレスを抱えさせることは意に反することなので、終了としたという。

ヴィクトリアさんのご家庭にいる犬たちでの例が挙げられている。アメリカンウォータースパニエルのリッツオがここ最近、一番若いバーンハムテリアのビューラーに腰を振り始めたという。これを見ると「支配欲による力比べ」に見えるかもしれないが、これは違う。リッツオはここの場所やほどんど他の場所においても、もうもともとみんなを牛耳っているトップだからだ。(順位付けとは、何かのものに対してだったり、場所でもに対してだったり、場合によってでも七変化するものであることに注意)。

リッツオは幼犬としてここにきた瞬間にはもうここを牛耳っていた。そういう性格だったのだろう。他に一緒に生まれてきた子たちもいて、その時からは「変化」というものがひとつも起きなかった。では、どうしていまさら、ビューラーに腰を振る行動が今になって出てきたのだろうか?・・それはストレスによるものだった。ある変化がきっかけとなっていたのだった。
一番年長のダラという子がつい最近、頭部と頸部に腫瘍があると診断されたのだ。それによって、ダラが他の犬たちとの関わり方が変わってきてしまったのだ。これを見ているヴィクトリアさんがストレスを感じ始めたという。そして他の犬たちに対してのお散歩時間やトレーニング時間が変わってきた。このような変化がリッツオにストレスを与え、その結果、ビューラーが腰を振られていた、というわけだ。


「腰ふりは単に喜びの表れだったりもする」

腰ふりが、何らかの興奮を示している場合もある。ヴィクトリアさんが訓練競技会のためにトレーニングしていたダラという子がいる。ここ最近、褒めるときに、おやつからおもちゃへと変えていっている。競技場アリーナ内にはおやつを持ち込めないからだ。
そのダラの大好きなおもちゃというのがあるのだが、それをいつもトレーニングする場所へと持って行き、地面に置くと、そのおもちゃに対してエアーハンピング(鼻先だけ近づけて、接触なしにひとりで腰を振る行為)をする。このおもちゃ以外ではしない行為だ。このおもちゃはダラにとってはご褒美としてわかっていて、とてつもなく嬉しさで興奮をしてしまうくらいな存在なのだ。トレーニングが始まり、頑張ったダラにそのおもちゃが与えられると腰を振って嬉しさをあらわにする。これはフードを使ってのご褒美のときには決してやらなかった行為である。喜んで興奮しているときにも腰を振るということである。

Mounting, Humping, Com'on Baby!! (下)〜腰を振る犬への対処法

に続く。。。

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