コラム

 公開日: 2013-11-06  最終更新日: 2017-03-15

交通事故 ~被害者になったら~ その1(初期のころ)

 交通事故の被害者になったら、まずどうしたらよいでしょうか?

 それはもちろん「治療」です。
 損害賠償なんて二の次です。自分の体より大事なものはありません。
 また、実は、一日も早く病院へ行くことは、損害賠償のことを考えてもとても大事なのです。通院開始が遅れれば遅れるほど、加害者側(特に保険会社)は詐病を疑うようになるからです。
 なお、病院では、症状はできる限り正確に、遠慮せず全て告げて、病院の記録に残してもらうようにしてください。訴えていた症状がカルテに記載されているかどうかで、後の結果が変わってしまう可能性があるからです。

 さて、治療をしていくとなれば、治療費も心配となります。
 通常、相手が100%悪いか、それに限りなく近い場合は、相手の保険会社が治療費を進んで支払ってくれることが多いです。この場合は当面は心配はいりません。
 しかし、あくまでも「当面」です。保険会社は様々な理由をつけて治療期間を短くしようとしてきます。保険会社が勝手に治療費の支払いを打ち切ってくることもあります。ですので、こちらが思っているとおりの治療費を出し続けてくれるとは限りません。
 また、例えば双方ともに事故の原因が相手にあると言い張っているようなケースでは、相手の保険会社がすぐには治療費を支払ってくれないことも珍しいことではありません。

 実は、交通事故の被害は、法律的には「不法行為による損害賠償」であり、これは、最終的に裁判で相手に責任があると認めさせれば相手に負担してもらえることになるという「事後払い」が原則となっています。ですので、交通事故で負ったケガの治療費は、必ず加害者の保険会社が先に支払ってくれるというものではないのです。
 相手の保険会社が支払ってくれない場合、相手が任意保険をかけていない場合などで被害者を救済するための制度が自賠責保険なのですが、これは誰かが何かをしてくれるものではなく、自分で手続をしなければならないので、非常に大変です。また、自賠責保険には上限や基準があり、常に十分な補償が受けられるとは限りません。勤務中の事故であれば労災保険を利用することも考えられますが、やはり手続は自分が動かなければなりません。
 このように、交通事故で負ったケガの治療費は、当然に相手が病院に支払ってくれるというものではないのだということを、知っておいていただければと思います。

 相手が支払ってくれない場合には、紹介した自賠責保険や労災保険のほか、自分の加入する保険の特約(人身傷害補償特約)を利用することも考えられます。
 もっとも、どの手続がもっともよいかということはケースバイケースであり、一般論として説明するのは難しいところです。
 ですので、体調が落ち着いたら、なるべく早く弁護士に相談していただいた方がよいと思います。
 交通事故に精通している弁護士であれば、治療中のこうした対応や判断についても、適切なアドバイスをしてくれるはずです。また、自賠責保険の手続などを任せてしまうこともできますので、煩わしい手続から離れることもできると思います。

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