コラム

 公開日: 2014-05-16  最終更新日: 2016-05-07

憲法のこと ~不断の努力と「勇気」~

 憲法12条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と書かれているのをご存知でしょうか?

 憲法は、人類が多年にわたる努力の下に生み出してきた、基本的人権を守るための手段にすぎません。
 以前のコラムで、憲法の存在意義は「立憲主義」にあると書きました。立憲主義は、暴走しがちな国家権力に歯止めをかけて国民の自由や権利を守る考え方です。憲法は、この立憲主義の観点から、権力に歯止めをかけるための道具なのです。
 ですから、警察やボディガード、軍隊といった、黙っていても守ってくれるような存在ではありません。道具ですから、我々が使い方を考えなければならないものなのです。

 憲法の使い方の一つは、簡単には変えようとしないことです。
 憲法は先に述べたとおり、立憲主義という存在意義を持っています。これは、憲法99条に書かれているとおり、憲法を尊重し擁護する義務を負っているのが公務員であるということからもわかります。つまり、憲法の規定を守らなければならないのは公務員なのです。
 通常、何らかのルールを変えたいと思うのは、ルールを守らされている側の人間ですから、憲法の場合は公務員になります。
 結局、憲法を安易に変えるということは、規制される側であった公務員に得をさせる可能性の方が高く、本当に我々国民のためになるかどうかはわからないということです。
 ですから、憲法を安易に変えないようにすること自体、憲法をうまく使う方法の一つであるということがいえます。

 二つ目は、日常生活の段階から、権力の暴走を許さないよう、想像力を働かせ、思考停止に陥らないよう常に考え続けることです。
 この「想像力」と「考えること」の大切さについては以前のコラムでも書きましたので、ここでは深くは触れません。

 三つ目は、ほんの少しでよいですから「勇気」を持つことです。
 最近の日本では、何か異質なものに対して一斉にバッシングをするといった傾向がみられます。さらに、こうした動きに対して「それはおかしい」と反論すると自分に矛先が向く可能性があります。ですから、反対意見や少数意見を述べるには、とても勇気が必要です。
 ですが、ほんの少しでも何かを述べたり、何かの行動を見せない限り、何も変わることはありません。黙ったまま、何もしないままでいたのでは、認めているのと同じです。おかしいと思うのに黙ったままでいるというのは、自分の意に反して賛成してしまっているようなものなのです。

 もし、真っ向から反論するまでの勇気がなければ、ほんの少しの勇気を持って、親しい友人や身内に対してだけは意見を述べてみたり、ネット上で賛同できる意見を見つけて「いいね!」を押してみたりするだけでもいいとと思います。
 こうしたちょっとずつ、ほんの少しの努力や勇気が、私たちの自由や権利のためには必要なのです。

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